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「バンメル鳥取」は全員が「本気(ガチ)モード」。地域に根ざした社会人サッカークラブ「バンメル鳥取」の活動に密着取材しました
みなさんは、「バンメル鳥取」というサッカークラブご存知ですか?
バンメル鳥取は、鳥取市を拠点に活動をしている社会人サッカークラブです。
今年2024年には、鳥取市のクラブでは20年ぶりに中国地方の社会人トップクラスのチームが集まる中国サッカーリーグに昇格し、激戦を繰り広げています。
地域密着のクラブだからこそ感じられる温かい雰囲気と選手たちの熱量。
白熱の試合展開に思わず応援したくなること間違いなし!
今回は、鳥取市のみなさんにもっと「バンメル鳥取」の魅力を知ってもらうべく、クラブ代表の西本昌史さんとキャプテンの野儀倖世さんにインタビューをしました!
クラブの紹介はもちろん、地域とのつながりについても伺ってますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
「バンメル鳥取」の軌跡
「バンメル鳥取」創設までのストーリーを教えてください。
もともとは、2000年に鳥取東高OBがフットサルを楽しむためのチーム「ブルータス」として創設されました。
やがてサッカーへと転換し、社会人リーグへ参加を始めました。下部リーグからのスタートでしたが、徐々に力をつけていき鳥取県リーグ昇格を果たしました。
そんな中2012年には、鳥取らしさを求め、チーム名を「バンメル鳥取」と改名し、新たなスタートを切りました。そこから、鳥取県リーグ1部に昇格し、2017年には初優勝を飾りました。
その次のステージ「中国サッカーリーグ」に上がるためのトーナメントに出場するも、壁は厚く昇格できないシーズンが続きました。
当時はコロナ禍もあり、色々な困難もありましたが、ついに昨年、7年越しに大きな壁を突破し、今年度から中国サッカーリーグに昇格しました。鳥取市のクラブでは20年ぶりの快挙でした。
20年ぶりの快挙!中国サッカーリーグへの昇格、改めておめでとうございます!2024年も終わりに近づいていますが、今年はどんな思いで過ごされていたのですか?
今年は、鳥取市の会場で中国サッカーリーグを見ていただきたいという気持ち、そして、サッカーを通して地域を盛り上げたいという思いを込めて、チーム一丸となって活動してきた1年でした。
「バンメル鳥取」という名前に託された“想い”
2012年に改名した「バンメル鳥取」の名前の由来について教えてください。
まず第一に、鳥取市を拠点にしているクラブであるということ、さらには、地域との一体感を深めたいという思いから「鳥取」を名前に入れることを考えました。
それから、ドイツ語で「絆」という意味を持つ「bande(バンデ)」と、鳥取市といえば鳥取砂丘、砂丘といえば「ラクダ」、という連想から「キャメル」という言葉も候補にありました。
最終的にはこれらの要素を組み合わせて「バンメル鳥取」という名前に決まりました。
地域の人々、選手、スタッフ、サポーターなど、色々な人が繋がっていく、絆を深めていくクラブを作っていきたいという思いが込められています!
所属選手の9割は鳥取市在住!社会人中心、年齢層も幅広い
現在の活動内容や、所属選手について教えてください。
練習は週に2回、火曜と金曜の20:00〜22:00の間で行っています。
所属選手は、学生もいますが、学校の先生、警察官、会社員などの社会人が中心となっています。
そのため、年齢層も19歳〜40歳までと若手からベテランまで幅広く構成されています。
選手の9割を占めるメンバーは鳥取市在住ですが、仕事の関係で米子市や松江市から参加する選手もいます。皆、仕事終わりに疲れた体を起こし、サッカーを楽しむために集まってきます。
様々な職業の方が所属されているんですね!仕事とクラブ活動の両立が大変そうな気もしますが・・・そのあたり、キャプテンはどうですか?
大変な時もありますが、仕事終わりに練習があるからこそ、仕事にも活力が生まれて頑張れています!
チームに選手として所属したい場合、セレクションなどを行うのでしょうか。
バンメル鳥取では、セレクションなどを行なって選手獲得をしているわけではありません。
「志・向上心があれば誰でもウェルカム」というのがコンセプトです。
スタッフ人員も少ないので、選手たちでテーピングを巻いたり、ドリンクの準備をしたりと、一人一人への負担が大きい部分もありますが、「みんなで社会人生活をしながらサッカーを一生懸命楽しむ」というのを前提に、チーム全体で前を向きながら活動しています。
「バンメル鳥取」の今年(2024年)の成績は?
中国サッカーリーグでの今年の成績について教えてください。
中国サッカーリーグに昇格したチームの多くは、1年で降格してしまうという現実もあったので、自分たちの現状、力を冷静に分析し「残留」という目標を掲げ戦いに臨みました。
結果は、10チーム中9位でした。
9位というのは、残留ですか?それとも・・・・降格ですか?
実はまだ、中国リーグ残留は確定していません。
12月8日(日)に「Axisバードスタジアム」にて中国地域県リーグ決勝大会で2位になった修大クラブ(広島県1位)との入替戦を控えています。
この試合の結果次第で、来シーズンの所属リーグが決まることになります!
2024年度中国サッカーリーグ入替戦
選手たちは現在、入替戦に向けトレーニングを続けています。
残留して来シーズンも中国リーグで戦ってほしいです!
12月8日(日)は皆さんも応援しましょう!
団結力の秘訣は「仲の良さ」と、「全員が本気(ガチ)モードである」こと
「バンメル鳥取」のチームの雰囲気について、教えてください。
今年から、中国サッカーリーグという、今までよりレベルの高いチームが集まるリーグに所属しました。
もちろんサッカーを楽しむという気持ちはありますが、より「本気(ガチ)」というか、「鳥取県リーグの時とは意識を変えて戦っていこう」と全員で話をして決めていました。
練習から試合を意識して、ガチモードで臨んでいました。
チームの強みについても、教えてください。
強みは仲の良さです。年齢に幅はありますが、ピッチ上では活発な声かけができており、対等な立場でコミュニケーションが取れています。
トレーニング中でも、選手同士で意見交換を行なっています。
若手選手はベテラン選手にアドバイスを求めたり、逆にベテラン選手は若手選手から新しい視点を得たり、チーム全体で、コミュニケーションが必要という認識が深まっていると思います。
選手同士で話をする機会が増えたことで、チーム力の向上に繋がりました!
チームの課題について、教えてください。
中国リーグでの戦いを振り返り、フィジカル面や走力、ボール技術を高めていかないと勝つのは難しいなと感じました。
他チームはJリーグ参入を目指しているところもあります。元Jリーガーがいたり、毎日練習しているチームもあります。
バンメル鳥取は週2回の練習なので、どうしても差が出てしまいます。いかに効率よくフィジカル強化、技術向上をしていくかが課題だと思っています。
限られた時間のなかで効率よく、というのはなかなか難易度が高いですよね。さらに週に2回だけだと、コミュニケーションを取る時間も限られそうですが・・・?
練習は週に2回ですが、日頃から選手同士で連絡を取り合い、練習がない日や試合前日の過ごし方などを共有し、コミュニケーションを取るようにしています!
なるほど!練習以外の時間のコミュニケーションも含め、チームの結束力に繋がっているんですね。
「バンメル鳥取」が行う地域貢献活動「+(プラス)12活動」
サポーターや地域住民との交流はありますか?
バンメル鳥取では、地域貢献活動の一環として、毎月「+(プラス)12活動」というのを行っています。
月に1回、地域の方々への感謝の気持ちを込めて、何かしらの形で恩返ししたい、貢献したいという思いで取り組んでいるものです。
10月は「とっとり環境地引き網」に参加し、青谷高校の生徒など総勢140名と海岸清掃、地引網体験を行いました。
その後は、綺麗になった海岸で子どもたちとサッカー交流も行いました。
その他にも、砂丘清掃などの清掃活動や、子ども食堂のお手伝い、スポンサー企業のイベントサポート、スポーツ活動のボランティアなどを行いました。
地域貢献への取り組み、素晴らしいと思います!選手のみなさんの地元愛が伝わりますね。
基本的にはどんな依頼でもOKですので、気になった方はぜひ、ご依頼ください!
地域貢献活動「+(プラス)12活動」
「バンメル鳥取」の目標は“鳥取県で1番強いサッカークラブ”
来季以降の目標を教えてください。
まずは、中国リーグに定着し、鳥取県で1番強いサッカークラブになることを目指しています。
強い選手を獲得していくのではなく、今いる選手たちで中国リーグに所属し続けることを大事にしていきたいです。
また、自分たちの存在で地域を盛り上げたいという思いがあります。
スポンサーさんにも協力いただいて活動が成り立っていますし、恩返ししたい気持ちは大きいので、活躍する姿であったりイベントを行ったりして、還元できるような仕組みを作っていきたいと考えています。
「バンメル鳥取」を応援したい!スポンサー募集は?
スポンサー募集について教えてください。
中国リーグに加入すると、今までよりも登録料や遠征に費用もかかるため、協力いただけるスポンサーを増やしていきたいと考えています。
企業、個人問わず、随時スポンサー募集をしていますので、公式HPなどからぜひお問い合わせください。
みなさまへのメッセージ
まずは今シーズンの中国リーグ残留という目標達成が、私たちを支えてくださった方々への最大の恩返しだと考えています。
そのためには、12月8日(日)の入替戦で必ず勝利し、残留を決めたいと思います。
ぜひ鳥取市のみなさんにも「Axisバードスタジアム」に足を運んでいただき、選手たちの熱いプレーを直接見ていただきたいと思っています。
華やかなチームではないかもしれませんが、最後まで諦めずに全力で戦い抜く姿勢を貫きますので応援お願いします!
選手たちの熱量やチームの雰囲気を実感していただき、我々「バンメル鳥取」に興味を持っていただけたなら、ぜひまたお力をお貸しいただきたいと考えています。
みなさんの熱い応援が選手たちの大きな力になりますので、よろしくお願いします。
2024年度中国サッカーリーグ入替戦
取材後記
今回の取材を通して、クラブ代表、選手たちの熱い想いやチームの雰囲気を感じ取ることができました。
決して恵まれた環境とは言えない中でも、中国サッカーリーグというレベルの高い舞台で、厳しい戦いを強いられながらも、残留に向けて必死に戦う選手のみなさんの話を聞いて、ぐっと来るものがありました。
また、選手たちは単なるいちサッカー選手というだけではなく、地域の一員として、地域の発展・活性化のための貢献活動をされているという点についても、深く感銘を受けました。
「バンメル鳥取」は地域に根ざし、愛されながら未来に向かって歩んでいくサッカークラブです。
彼らの挑戦をこれからも応援し、見守り続けたい。そんな気持ちにさせてくれた時間でした。